平成30年11月27日(火)、環境の持続可能性(サステイナビリティ)をテーマに研究を推進している本学の「サステイナビリティ研究所」が実施主体となって、国際シンポジウムを開催しました。
今回は、国際社会の喫緊の課題であるプラスチック廃棄物問題を取上げ、世界の廃棄物処理の現状や問題・課題について、230名を超える参加者を迎えて、国際的な見地から講演や話題提供、パネルディスカッションを展開しました。
開会に際して江﨑信芳学長が、「タイムリーな話題であるプラスチック廃棄物処理を考える機会にして欲しい」と挨拶。その後本学・田中勝客員教授が「プラスチックをめぐる環境問題」と題し、循環型社会におけるごみ処理についてのミニ講義を行いました。そして、オランダのシンクタンク『Speaking Sustainably』代表のブルース・ハス氏による特別講演「EUにおけるプラスチックをめぐる環境問題とその解決策」において、オランダのみならずEU圏でのプラスチックをめぐる循環型経済への取組や、プラスチック廃棄物処理の最新の事例などが紹介されました。
後半のパネルディスカッションへの話題提供では、 (一社)プラスチック循環 利用協会の井田久雄専務理事より、プラスチックリサイクルの手法について詳し くご説明いただき、「サーマルリサイクル」などの技術が紹介されました。国 内のプラスチック廃棄物処理産業について、理解を深めることができました。続いて、本学の金相烈准教授から国内のプラごみ焼却による廃棄物発電と余熱利用の現状報告、門木秀幸講師から鳥取県内のプラスチック廃棄物産業の取組の紹介が行われ、参加者は身近な実状や多様な製品などを知る機会となりました。これらの広範にわたる講演や話題提供を受けたパネルディスカッションでは、それぞれの立場と見解から、循環型社会に向けた取組について白熱した議論が交わされ、参加者からも「EUの最新の取組や国内の廃棄方法まで考慮に入れた製造について聞くことができ大変有意義であった」等の感想が聞かれ、廃棄物処理と循環型社会に向けた取組への意識向上へつながる有意義なシンポジウムとなりました。
ブルース・ハス氏の特別講演
井田久雄専務理事による話題提供
パネルディスカッションの様子