2019年8月19日~22日にかけて、経営学部佐藤ゼミ20名が、島根県海士町を対象にフィールドワークを実施しました。海士町は日本海の島根半島の沖合約60kmに位置し、七類港(松江市)からフェリーで片道約2時間半かかる離島でありながらも、この人口減少時代においてU・Iターン者が増加している自然豊かな島です。3泊4日の合宿で、ゼミ生が主体的に選んだ中小企業等7団体を訪問し、「海士町ではなぜ、U・Iターン者が増加しているのか」、「ある特定の産業、企業がその地域に根付くにはどのような条件が必要であるのか」等を、インタビューやまち歩きを通じて学びました。
以下、各団体を訪問したゼミ生によるレポートです。
①川口由華さん
株式会社風と土とで行われている事業は、大企業に向けた社員研修です。その研修では海士町の人々の暮らしや想いに触れることで、自分の想いを再確認する、新たに自分の想いを創出するプログラムが組まれています。自分の考えや想いをもって進む人材が求められる現代だからこそ、海士町の人たちのように自分の役割を認識し、強い想いを持つことが大切であると学びました。
②豊永清文さん
海士町役場では、主に海士町の特色について教えていただきました。海士町では、地域資源が乏しいことを逆手にとって課題解決に取り組むユニークな人が多く、島を盛り上げるために魅力化プロジェクトや離島留学といった様々な取り組みを積極的に行っている点が印象に残りました。島民同士のつながりも強く、Iターンで海士町に人が入ってきてもすぐに打ち解けていくだろうなと感じました。
③山口哲平さん
海士町社会福祉協議会では、「夢をかなえる介護」と呼ばれる取り組みを行っていることを知りました。これは「おしゃれがしたい」というご老人に対して、ファッションショーを開催したり、「宝くじで当たりたい」というご老人に対して施設の通貨が当たるくじ大会を開催したりするというものでした。このように、利用者の幸せを後押しする積極的な介護施設は初めて見たので感激しました。
④小林史佳さん
有限会社隠岐潮風ファームでお話を聞いて印象に残ったのは、自分たちで産業を興そうとした点です。建設業をされていたこちらの会社は数年前に業績が厳しくなったことをきっかけに畜産業を始められましたが、畜産業が活発になることで建設業にもその波及効果がもたらされたそうです。海士町という離島内で1つの企業が複数の産業で利益を上げながら地域経済を活性化している実態を学びました。また、自分たちで何かできないかと考え、実践していく大切さも知ることができました。
⑤生越美由さん
海士町観光協会を訪問して、今回、一番印象に残った内容はAMA旅についてです。AMA旅では、観光客が島ホストと呼ばれる現地の方と交流し、海士町について深く知ることができる機会が設けられています。これにより、観光客は現地の人しか知らない内容を聞くことができ、何も知らずに訪れる場合よりも得ることのできる価値は大きいと感じました。
講義を聞く学生
菱浦港の前で