占部氏は、鳥取県米子市出身のノーベル経済学賞に最も近いと称された経済学者の故・宇沢弘文氏の長女で、宇沢氏が提唱した社会的共通資本と地域医療の課題に関する研究・講演活動をされています。 講義ではまず宇沢氏について、米国で新古典派の数理経済学の第一線で活躍されていたエピソードを語っていただきました。次に、数学から経済学に移り、社会問題や地球環境問題への解決への研究に取り組んだ背景をお話いただきました。持続可能な開発目標(SDGs)との関連では、環境問題の解決と経済発展の両方の視点をもった社会的共通資本とは何かを説明いただきました。社会的共通資本とは、美しい豊かな自然環境が安定的、持続的に維持されていることこそが人間の営みに重要であるという考えです。最後に、新しいことへ挑戦する学生たちへ向けて、つまずきや抵抗へどう向き合っていくか、宇沢氏の名言とともに温かなメッセージをいただきました。
講義を受けた学生からは、「様々な視点から物事をとらえることの重要性や人と人の交流が大事なことに気づかされた」「宇沢氏の考えや占部氏のメッセージからたくさんの気づきがあった」との感想がありました。
この特別講演は本学のSDGsの取組みの一環としてサステイナビリティ研究所が主催しました。
江﨑学長による挨拶
特別講師 占部まり氏