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本学と鳥取商工会議所工業部会とのSDGs連携事業(※1)において、工業部会員である菌興椎茸協同組合の課題を解決するため、令和3年11月18日(木)に、環境学部 金相烈 教授とそのゼミ生(以下「金ゼミ」という。)が同組合と鳥取県産業技術センターを訪問しました。
(※1)
SDGs連携事業では、SDGsの取り組み推進を目的に工業部会と本学の教員及び学生が連携し、企業の環境分野における課題を解決します。今後3年程度継続予定であり、本年度は3社の課題解決に取り組んでいます。そして、課題解決を通じて、本学ではSDGsの目標達成並びに学生の成長を目指します。なお、この連携事業は、本学におけるSDGs推進組織であるサステイナビリティ研究所が主導し、また、本学創立20周年記念事業としても取り組んでいます。
菌興椎茸協同組合では、原木しいたけ栽培用の椎茸種菌を製造・販売しています。しかし、この種菌は、フタに発砲スチロールを使っており、原木しいたけの栽培後に、その発砲スチロールが、ゴミとして残ってしまう課題があります。現在、金ゼミでは公立千歳科学技術大学(以下「千歳科技大」という。)理工学部応用化学生物学科 オラフカートハウス 教授と協力して「発泡スチロールのフタに代わる生分解性プラスチックのフタ(以下「代替フタ」という。)の開発研究」を行っています。
この日、金ゼミは、千歳科技大のオラフ教授と一緒に同組合の職員の方と打合せを行いました。その後、鳥取県産業技術センターを訪問し、発砲スチロール素材と代替フタ素材の紫外線の影響についての試験結果(※2)を確認しました。今後、この打合せ結果と紫外線の影響の試験結果をもとに「代替フタの開発研究」を進めていきます。
(※2)
試験は、産業技術センターの「促進耐候性試験機」を用いて、日本の1年分平均紫外線量を以下1.~3.の素材に照射しました。
- 代替フタ素材A:紫外線の影響は無かった。
- 代替フタ素材B:紫外線の影響により、縮んだ。
- 発砲スチロール素材:紫外線の影響により、指で触ると表面の素材が粉砕されたように粉状になった。
※人工的紫外線の影響が無いと自然の紫外線でも影響を受けず、分解され難いことが分かるが、全く分解されない場合は問題となる。反面、分解され易いと代替フタとしての耐候性を満たさない(3年程度の耐候性が必要)。
なお、本学の環境学部 門木秀幸 准教授とそのゼミ生も金ゼミと同様の研究を行っており、切磋琢磨して同組合の課題解決に取り組んでいます。ゼミ生は、同じ環境学部の学生同士でも、時には競い合い、時には協力し、自らの研究を進めるための方法を模索しています。
本学は、この連携事業を含め、学生の成長を目指して、SDGsに取り組んでいきます。
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上から代替フタ素材A、B、発砲スチロール素材の順
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