3年生を対象とする選択履修科目の「麒麟の知」は、1年次配当の「鳥取学」を基礎知識とし、1,2年次に受講した「麒麟プロジェクト研究」で学んだ麒麟地域(鳥取市、八頭町、智頭町、若桜町、岩美町、兵庫県香美町、新温泉町)を中心とする鳥取の課題や在来知に関する知識を深化させるものと位置付けています。そのため、鳥取に係る具体的かつ実践的な取組事例に触れることにより、地域課題の発掘能力と専門的知識を活用した解決能力を高めることを到達目標にしています。
全15回の授業のうちの3回は鳥取市用瀬町、智頭町、麒麟獅子舞とテーマを設定し、それぞれの行政担当者とともに地域で活躍されている方々をお招きし、実践的見地からの思いを語っていただきました。
- 鳥取市用瀬町 6月22日(水) (ゲストスピーカー:鳥取市用瀬総合支所長、地域おこし協力隊、㈱週末住人共同代表、グリーンツーリズムもちがせ理事長の4名)
- 智頭町 7月13日(水) (ゲストスピーカー:智頭町企画課担当者)
- 麒麟獅子舞 7月27日(水) (ゲストスピーカー:鳥取市文化交流課長、因幡麒麟獅子舞の会の2名)
鳥取市の用瀬地域を知ってもらうとともに、それぞれにユニークな取組を紹介していただきました。
・桟俵を編み物バージョンにアレンジした流しびなづくり体験メニュー
・古民家を活用して、県内外の学生と地域との交流の場づくり
・古民家を再生して人を呼び込む様々なプログラムを展開
「“よそ者”の存在が地方には大きな役割をもつ存在であることを身近な事例を通して感じた」「古民家をいろんな人々が助け合って改装し、その場所で様々な人と出会っていくのは、鳥取ならではの人間のかかわりあい方だと感じた」「“まちが好き”という気持ちが行動に現れ、様々なプログラムを展開している点に関心をもった」
日本1/0村おこし運動や百人委員会など、町が行う住民主体の特徴的な取組や、複業協同組合やコネクテッドカーなど最近の取組を紹介していただきました。最後には、大学生ライターや百人委員会委員など、学生への参加の呼びかけがあり、智頭町への関心をもつ学生が確実に増えたようです。
学生たちの感想から
「智頭町の施策は魅力的なものばかりで興味深い内容であった」「智頭町の地域活性化の取り組みは、住民が自ら課題を見つけ、話し合い、解決に向かうことで効果があったのだと思う」「智頭町では、住民が積極的にまちづくりに取り組んでおり、様々な企画の提案をしていることがわかった」
因幡-但馬を舞台にした「日本遺産を生かしたまちづくり」にと令和元年度に文化庁に認定された「麒麟のまち」。そのシンボルの麒麟獅子舞を紹介していただいた後、麒麟獅子舞を実際に継承している方より地元の神社の例祭での様子などについてお話していただきました。1975年に一度途絶えていたものが復活された話やご自身が10代の時に関わるようになった経緯など、学生たちも興味深く聴いていました。
学生たちの感想から
「日本の伝統にふれる機会はあまりないので、実りある時間となった」「ストーリーを知り、実際に文化継承している方のお話を聞くことで、鳥取の人々にとっての日常文化であり、継承していくべきことが理解された」
来年度はさらに新たな地域からお越しいただくことを予定しています。