鳥取県が実施する県内の学生(高等教育機関)とフィンランドとの学生相互派遣事業(※1)に本学も連携し、本学からは環境学部 甲田紫乃准教授と学生2名(環境学部4年 下江 信之介さん、同 黄 岩松さん)を、フィンランドへ派遣し、この度、9月24日(火)から10月1日(火)の8日間の派遣を終えた学生達による学内報告会を開催しました。
報告会では、トゥルク市は2029年までにカーボンニュートラル実現を目指しており、その実現に向けて気候変動対策を中心とした取り組みが各所においてなされていることの紹介に始まり、トゥルク大学では、学内のレストランやカフェで消費者の食の選択をデータ化しており、排出されるバイオ廃棄物の量を測定し、観察することで、廃棄物削減につなげる研究を行っていることや、トゥルク応用科学大学では学内にビール醸造所が設置され、地域のベーカリーから提供される廃棄予定だった余剰のパンを利用したビール醸造など、食品廃棄物に対する実践的な学びが行われていることについての視察報告が行われました。
また、現地のマーケットでの食品廃棄物に関する課題について、現地の学生達と共に話し合い、プレゼンを行ったことなども紹介され、現地での学生相互の交流も積極的に行われたことが伺えました。
派遣した学生からは、派遣の経験を今後に生かし、多様なパートナーと連携した教育プログラムの提供を行い、環境教育を地域の子供達にも行えるオープンな教育環境を作り上げたいといった目標のほか、今回の派遣で得た国内外の学生達とのつながりを生かしたコミュニティづくりなど、派遣で得た知見を一層深めていきたいと意欲を示していました。
報告後、参加者から「フィンランドでは環境意識が強いという報告があったが、日本との違いはどうか」といった質問があり、学生たちは「環境教育が根付いていることもあり、地域の方とのコミュニケーションを通じて、どのような職種の人であっても、環境問題に関する知見を持っている印象を受けた。」等、回答していました。
なお、12月上旬にはトゥルク市から、学生たちが来日し、鳥取市を訪問するほか、県内の脱炭素やSDGsへの取組みを行っている企業等への視察や学生達とも交流する予定です。
【参考】
※1 フィンランドとの学生相互派遣事業
脱炭素社会実現を目指す上で重要な「食の循環」をテーマとして、日本と、脱炭素及びSDGsにおける先進自治体であるフィンランドの、両国の学生らがお互いの国を訪問し、テーマに関連する施設や取組を視察し、意見交換等を行い、地球温暖化対策や脱炭素社会実現に向けた取組を担う若きリーダーの育成を行うことを目的とした事業です。
- 派遣期間:9月24日(火)~10月1日(火)(8日間)
- 派遣学生:鳥取県地球温暖化防止活動推進員の委嘱を受け、学生部会(高等教育機関等の学生で構成する学生プラットフォーム「団体名:TottoReborn! Youth(トットリボーン!ユース)(通称:TRY!)」※2)に所属している者
<フィンランド派遣団の日本訪問>
- 派遣期間:12月上旬
- 派遣団:トゥルク市の学生5名及び職員1名で構成
- 鳥取県及び長野県小布施町を訪問予定
※2「TottoReborn!Youth(トットリボーン!ユース)(通称:TRY!)」
- 県内学生有志がCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)学生派遣事業を契機に設立した学生プラットフォーム。先進自治体との交流や意見交換を通じて地球環境問題を学ぶとともに、若者の視点で様々な啓発活動や情報発信を行う。
- 参加学生は計20名(公立鳥取環境大学、鳥取大学、京都大学大学院、北海道大学大学院)
県外の大学院生は、県内大学の卒業生。