令和6年11月8日(金)に本学11講義室にて、令和6年度SDGs特別シンポジウム「カーボンニュートラル社会を築くグリーントランスフォーメーション(GX)達成に向けて~脱炭素先行地域プロジェクトを考える~」を、2部構成で開催しました。当日は、県内外の自治体や企業等から多数のご参加もあり、本学学生を含めて165名の聴講者を迎えました。
本学は、2050年度の温室効果ガス排出ゼロを目指して、昨年度より環境省の「脱炭素先行地域プロジェクト」に取り組んでいます。今回のシンポジウムでは、そのプロジェクトの課題について、本学研究員が昨年度取り組んだ研究成果の報告に併せ、中国地方で展開している3件の脱炭素先行地域プロジェクトに参画している先導企業の方々をお招きし、脱炭素社会の実現に向けた取組について議論しました。
第1部は、令和5年度サステイナビリティ研究所研究成果報告として、以下のとおり4名の研究員が、それぞれ昨年度に取り組んだ研究の成果を報告しました。何れの課題も今年度も引き続いて研究が続いており、参加者からは最終的な成果を待ち望む意見が寄せられました。
環境学部 金 相烈 教授 | 木質バイオマス発電に伴う燃料灰の農業用途への再利用に関する研究 |
人間形成教育センター 堀 磨伊也 准教授 |
説明可能なAIを用いたエネルギーマネジメントシステム構築とグリーンインフラの評価 |
環境学部 山口 創 准教授 | 農山村における世帯レベルの脱炭素化に関する研究 |
環境学部 甲田 紫乃 准教授 | 地域脱炭素に向けた合意形成の過程に関する研究 |
第2部は、脱炭素先行地域プロジェクトに先導的に関わっておられる企業3社のご担当者から、それぞれが取り組まれている内容や今後の進め方、課題等についてご紹介いただいた上で、サステイナビリティ研究所の田島所長をモデレーターに、「各脱炭素先行地域プロジェクトを推進していくため特に何に注力すべきか?」、「グリーントランスフォーメーション(GX)達成の観点で、脱炭素先行地域プロジェクトから、全国にGXを普及拡大していくための課題は?」の2点をテーマにディスカッションを行いました。
課題としては、地域におけるキーパーソンの確保やリーダーシップ人材の育成、技術開発の必要性、更には地域のメリットを享受するための、実施主体と地域との信頼関係を築くプロセスの重要性などが挙げられました。またGXの全国普及のためには、地域新電力のようなそれぞれの地域の実施主体同士が、知見・ノウハウを共有することがカギになる、とのご提言もいただきました。
参加者からは、それらへの賛同意見や「産学官連携かつ官の柔軟な姿勢が必要」などの感想が寄せられました。
シンポジウムにご参加いただいた方々
岡山県西粟倉村等 | 矢崎総業株式会社 品質管理室 カーボンニュートラル推進部 CN推進チームリーダー 塚本 陽介 様 CFP推進チーム 大竹 海慧 様 |
鳥取県米子市・境港市 | ローカルエナジー株式会社 常務執行役員 総務部長兼電力事業部長 上保 裕典 様 |
鳥取県鳥取市 | ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社 常務執行役員CMO兼調達本部長兼社長室長 西川 勇介 様 |
本学は、このたびのシンポジウムを踏まえ、今後も引き続き民間企業や行政等と連携しつつ、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
研究成果報告の状況
パネルディスカッションの状況
パネラーの方々(塚本様、上保様、西川様)
熱心に聴講する参加者